中国古典から知恵「三十六計、逃ぐるを上と為す」マインドセットの最終形

・初心者からの卒業

「三十六計、逃ぐるを上と為す」。

この言葉、現代では「とにかく逃げろ」という消極的な意味で使われがちですが、本来の兵法における意味はもっと戦略的で前向きな決断を指します。

ビジネスや人生において、私たちは往々にして「継続すること」「耐えること」を美徳としがちです。しかし、状況が詰んだ時にあえて「引く」ことができるのは、実は最高レベルの知性なのです。

今回は、この兵法の真意をビジネスとマインドセットに落とし込んだ**「戦略的撤退の極意」**について解説します。


1. 「逃げる」は敗北ではなく「リソースの保全」

三十六計の最後を締めくくるこの計略は、「他の35の計略が通用しないほど圧倒的な劣勢なら、下手に抗って全滅するより、逃げて力を温存せよ」と教えています。

  • ビジネスでの視点:赤字が続くプロジェクト、勝機のない過当競争、心身を削るブラックな職場。これらに固執することは、あなたの最も貴重な資産である**「時間」「資金」「精神力」**をドブに捨てるのと同じです。
  • マインドセット:「逃げる=負け」というプライドを捨て、「次の一手のためにリソースを守る」と考えをシフトしましょう。

2. 執着を捨てる「損切り」の勇気

心理学には「サンクコスト効果(埋没費用)」という言葉があります。それまで費やした時間やお金がもったいなくて、やめるにやめられない状態です。

三十六計の知恵:

勝ち目のない戦いに固執して全滅するのは「愚策」であり、再起の可能性を残して戦線を離脱するのが「上策(最善の策)」である。

あきらめることは、決して「投げ出し」ではありません。「これ以上はリソースを投下しない」という明確な意思決定です。

3. 「逃げる」と「逃げ出す」の決定的な違い

ビジネスにおける「戦略的撤退」には、以下の3つのステップが必要です。

ステップアクション内容
1. 状況判断損益分岐の見極めこのまま続けて1年後に好転する根拠があるか?
2. 出口戦略スマートな撤退周囲への影響を最小限にし、信頼を維持したまま引く。
3. 次への転換再始動の準備浮いたリソースを、より勝算の高い分野へ即座に投入する。

4. 最後に:人生の主導権を取り戻す

「三十六計、逃ぐるを上と為す」の最終形とは、**「自分の戦場を自分で選ぶ」**というマインドセットです。

相手の土俵で無理に戦い、ボロボロになってから倒れるのは兵法としては三流です。自分にとって有利な場所、あるいは自分が情熱を注げる場所へ移動するために、今ある執着をバッサリと切り捨てる。

「逃げる」ことができる人は、自分の人生の主導権を握っている人なのです。


もし今、あなたが「これ以上頑張っても報われないかもしれない」と感じている状況があるのなら、それは「逃げる」という最高のアクションを選択すべきタイミングかもしれません。

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